大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)513 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松永東、同名尾良孝の上告趣意(第一点以外にはない)について。

原判決が本件賍物知情の点についての証拠に供したものと認められる被告人Aに

対する昭和二三年五月二四日附司法警察官の聴取書中に「……何か不正の品だとは

思いましたけれども……」という供述記載のあることは洵に所論の通りである。し

かし右聴取書全体を精読すると右にいわゆる「不正の品」というのは「盗賍品」の

意味であつて被告人が窃盗本犯から本件セメント八袋を買い受けるに当りそれが盗

賍品であることを察知していた趣旨であることが窺えるのである。さすれば右証拠

と原判決挙示のその余の証拠とを綜合して優に判示賍物故買の事実が認定し得るの

であるから原判決には所論のような理由不備の違法は少しもない。従つて論旨は理

由がない。

よつて刑訴施行法二条旧刑訴四四六条に則り主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 竹内壽平関与

昭和二六年六月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!